ごあいさつ
フリーランス・個人事業主及び副業に関する税務サービスを提供している税理士法人加美税理士事務所の税理士 川畑英之と申します。
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年商2000万円超のフリーランス事業者必見!経費計上の重要性と効果的な節税対策
年商2000万円以上の規模で事業を展開しているフリーランスの個人事業主様にとって、税金対策は利益を確保する上で欠かせない要素です。売上規模が大きくなるほど、適切な経費計上による所得圧縮が所得税・住民税の負担軽減に直結します。事業に必要な支出を適正に経費計上し、合法的に節税することで、手元に残る利益を最大化できます。
本記事では、フリーランスの方が知っておくべき経費計上の重要性や、主な経費項目、高度な節税対策について詳しく解説します。
経費計上が重要な理由:確定申告で節税効果を最大化
経費計上で所得税・住民税を軽減する仕組み
フリーランスの事業所得は、売上-経費=所得(利益) という計算式で算出されます。この所得に対して所得税や住民税が課税されるため、事業に必要な支出を必要経費として適切に計上することで、所得を圧縮し、税負担を軽減できます。例えば、課税所得を100万円削減できれば、所得税・住民税を合わせて約30万円(税率による)が節税可能です。正しい経費計上は合法的な節税対策の一つであり、事業の資金繰りを安定させる上でも重要です。
フリーランスの経費計上で押さえるべきポイント
フリーランスの事業では、仕入原価、発送費、販売手数料など、業種ごとに異なる経費項目が存在します。例えば、物販を行っている場合、商品の仕入れにかかった費用(売れた分の仕入れ代金)は最も重要な経費です。また、オンライン販売を行う場合、プラットフォーム利用料や決済代行業者の手数料、商品発送の送料や梱包資材費なども経費として計上可能です。
これらの経費を適切に計上することで、課税対象となる所得を圧縮し、税負担を軽減できます。特に在庫を扱う場合は注意が必要で、年度内に売れ残った商品の仕入れ代金は、その年の経費にはできず、売れたタイミングで計上する必要があります。在庫管理を適切に行い、売上原価を正確に算出することが、適切な節税につながります。
事業規模拡大で経費管理の精度が重要に
年商が3000万円を超える規模に事業が成長すると、日々の取引数や経費の金額も増加します。事業規模が拡大するほど、経費管理の精度が重要になります。経費を適切に管理しなければ、本来差し引けるはずの経費が漏れ、不必要に税金を多く支払うことにつながります。反対に、私的な支出を経費として計上すると、税務署から指摘を受けるリスクがあります。
売上規模が大きい事業者ほど税務調査の対象となる可能性が高いため、領収書の整理や帳簿付けを徹底し、いつ調査が入っても説明できる状態にしておくことが大切です。また、事業規模の拡大に伴い、消費税の納税義務(前々年売上1000万円超)が発生する点にも留意しましょう。消費税の申告では、仕入税額控除を適用するためにも、経費の記録が非常に重要です。
こうした税務対応を万全にするためにも、必要に応じて税理士のサポートを受け、正確な経費計上と申告を行うことが、結果的に費用対効果の高い選択となります。
経費として計上できる主な項目と節税のポイント
経費にできるものは「事業遂行のために必要な支出」に限られます。フリーランスの事業で計上できる代表的な必要経費と、その活用ポイントは以下の通りです。
- 仕入れ費用(商品原価):販売した商品の仕入代金。売上原価とも呼び、もっとも基本的な経費です。年度内に販売した商品の仕入れ値のみ計上可能で、未販売の在庫分は翌期以降に繰り越します。商品の購入時のレシートや領収書、仕入明細は必ず保管し、正確に原価計上しましょう。
- 発送費・配送費:商品をお客様に届ける送料や、FBA倉庫への配送費用、梱包材の購入費用などです。フリーランスの物販事業では発送頻度が高く、小さな送料や資材費も積み重なると大きな金額になります。これらも忘れず経費計上し、利益圧迫を防ぎます。
- 販売手数料・決済手数料:Amazonや楽天市場、ヤフオク、メルカリ等のプラットフォーム利用料・販売手数料、クレジットカード決済代行会社への手数料なども経費です。売上から天引きされるケースもありますが、年間で合計すると相当額になるため、手数料明細を確認して経費計上します。
- 広告宣伝費:商品の販促のために支出した広告費用です。たとえばAmazon内のスポンサープロダクト広告費、SNSやGoogle広告にかけた費用、チラシ・DMの作成費用などが該当します。広告投資は売上拡大に役立つ反面、費用計上を忘れると税負担だけが増えるため注意しましょう。
- 通信費:事業に使ったインターネット回線やスマホの通信料、電話代などです。リサーチに使うパソコンやスマホの通信料、クラウドサービス利用料も含まれます。プライベート利用と共用の場合は利用割合で按分計算し、事業分を経費とします。
- 家賃・地代(事務所利用分):自宅の一部を在庫保管や事務所として使っている場合は、その面積割合や使用時間に応じて家賃や住宅ローンの利息相当分を必要経費にできます。また、別途倉庫や事務所を借りているなら、その賃借料や共益費は全額経費です。さらに事業で使用している水道光熱費や駐車場代も、事業利用分を按分して経費計上が可能です。
- 消耗品費:文房具やプリンターのインク、コピー用紙、梱包に使うテープやダンボールなど、単価が少額で1年未満で使い切る備品は消耗品費として経費になります。新品の商品として仕入れた物販用の商品は「仕入れ費用」に区分しますが、事業運営のために使う消耗品は見逃さず経費に計上しましょう。
- 旅費交通費:ビジネスのための移動にかかる交通費や、遠方での打ち合わせや出張に伴う宿泊費が該当します。事業の成長に伴い移動が増えると、これらの経費が積み重なり金額が大きくなるため、領収書や乗車券控えを必ず保管しましょう。
- 外注費:事務作業や発送作業を外部に委託した場合の費用です。例えば、梱包・発送代行サービスの利用料、商品リサーチや出品作業を他の人に依頼した際の報酬、ウェブサイトやロゴ作成を発注した場合の費用などが含まれます。外注を活用して業務効率を上げた場合は、その費用もしっかり経費に計上します。
- 人件費:従業員やアルバイトに支払う給与や賞与、外部スタッフへの謝礼など、人件費も当然経費です(個人事業主自身の「給料」は経費にならない点に注意)。家族を青色事業専従者として給与を払う場合も、所定の手続きを取れば必要経費にできます。
- 専門サービス費用:税理士や社会保険労務士など専門家へ依頼した際の顧問料や相談料、会計ソフトの利用料なども必要経費です。規模が大きくなった事業では、専門家のサポートを受けることで結果的に節税や効率化につながるケースが多く、その費用も経費として控除できます。
減価償却資産を活用した節税策
事業で使用するパソコン、カメラ、事務用家具、設備、車両など、耐用年数が1年を超える資産を購入した場合、一括で経費にせず、減価償却によって数年にわたり費用計上します。これは、購入年度に全額を経費計上するのではなく、法定耐用年数に基づき分割して経費化することで、事業の利益を適切に調整するための制度です。
減価償却費は毎年計上できるため、利益が多い年には設備投資を行い、減価償却費を活用することで税負担を軽減するという節税策が可能です。また、青色申告をしているフリーランスの方は「少額減価償却資産の特例」を利用できます。この特例を使うと、取得価額30万円未満の資産について年間合計300万円まで、一括で経費計上できます。例えば、20万円の業務用プリンターを購入した場合、通常は耐用年数に応じて数年にわたり償却しますが、この特例を適用すれば購入年度に全額を経費計上できます。
特に事業年度末が近いタイミングで設備を購入すると、当期の課税所得を圧縮できるため、計画的に活用することで節税効果が高まります。ただし、むやみに設備を購入するとキャッシュフローを圧迫するため、資金繰りを考慮した上で導入することが重要です。
車両やオフィスを法人契約にして節税する方法
事業が拡大すると、法人化(会社設立)を検討し、経費の適用範囲を広げる方法もあります。法人化することで、社用車や社宅制度を活用し、個人では経費にしにくい支出も法人経費として計上しやすくなります。
例えば、事業に必要な車を法人名義で購入・リースすると、車両の購入費、リース料、ガソリン代、車検代、自動車税、保険料などを法人経費にできます。個人事業でも業務利用分は経費計上可能ですが、法人名義にすることで公私の区分が明確になり、税務上のリスクを低減できます。
同様に、自宅の一部を法人の社宅として扱うことで、家賃の一部を法人経費として計上する節税スキームもあります。ただし、私的な利用分を法人経費に含めると税務リスクが生じるため、適切な計算と書類整備が不可欠です。
法人化には設立費用や維持費(法人住民税・決算申告費用など)が発生するため、事業の売上規模や税負担を総合的に考慮し、税理士に相談の上で法人化を判断することをおすすめします。適切なタイミングで法人化を行えば、所得分散や経費の拡大による節税メリットを最大限に活用できます。
領収書・帳簿管理の重要性と税務調査への備え
経費節税を適切に行うためには、日頃から領収書やレシート、請求書類を正確に管理し、帳簿を適切に作成することが不可欠です。税法では、青色申告の場合は原則7年間、白色申告でも5年間の帳簿保存義務があります。経費計上した支出について証拠書類を提出できないと、税務署から経費として認められず、追加の税負担が発生する可能性があります。特に現金払いの経費や、電子データで受け取った領収書(インボイス対応の請求書等)は、管理の漏れが起こりやすいため、整理を徹底しましょう。
また、売上規模が大きい事業者は税務調査の対象になりやすいため、税務署は経費の妥当性を厳しくチェックします。以下の点が特に重要です:
- 事業に関係ない個人的な支出が含まれていないか
- 金額の大きい経費について、適切な用途や必要性を説明できるか
- 帳簿に不備がなく、税務署に提示できる状態になっているか
このような指摘を受けないためには、日頃から経費の記録を詳細に残すことが重要です。帳簿の備考欄に経費の用途を記載したり、支出に関する簡単なメモを残しておくことで、税務調査時のスムーズな対応につながります。
万一、税務調査で申告漏れや経費の過大計上が発覚すると、追徴課税や加算税(ペナルティ)が課される可能性があります。これは、適切な節税を行っているつもりでも、結果的に予期せぬ税負担を招くリスクがあるということです。こうしたリスクを回避するためにも、以下の方法を活用しましょう:
- 税理士と顧問契約を結び、定期的に帳簿をチェックしてもらう
- 会計ソフトやレシート読取アプリを活用し、記帳業務を自動化する
- 最新の税制変更に対応できるよう、専門家のアドバイスを受ける
専門家のサポートを受けることで、税務対応の負担を軽減し、本業に集中できる環境を整えることができます。正しい経費管理と帳簿作成を行い、税務リスクを最小限に抑えながら、合法的な節税を実践しましょう。
おわりに:正しい経費計上で賢く節税しよう
年商2000万円を超えるフリーランスの方にとって、適切な経費計上と節税対策の実践は、手元に残る利益を最大化するための重要なポイントです。日々の支出を単なる「コスト」として終わらせるのではなく、「将来の税負担を軽減するための投資」と捉え、適切に処理しましょう。
青色申告の特典や各種控除・特例を最大限に活用し、必要以上に税金を支払わないよう工夫することが重要です。事業規模が拡大してきた場合は、法人化の検討や税理士への相談も視野に入れ、自身にとって最適な税務戦略を構築しましょう。
最後に、「節税」は合法的なコスト削減であり、「脱税」(違法な申告漏れや虚偽申告)は厳しく罰せられます。正しい知識を持ち、適切な税務対策を実践することで、安定した事業運営を実現しましょう。
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